ウィンザー (Windsor) から北へ進み、テムズ川にかかる橋を渡ると、そこはイートン (Eton) の町。ユニオン・ジャックの旗や華やかなハンギングバスケットがたくさん並んでいて、明るい雰囲気です。午後3時15分から行われるガイドツアーに参加すべく、まっすぐイートン校 (Eton College) へ向かいました。
参加者が多いので数グループに分かれての見学でしたが、こちらが私たちのグループを担当してくれたガイドのお兄さん。大きな声で滑舌がよく、グループの大半が中国人の中高生たちと見るや、なるべく平易な英語でゆっくりと話す気遣いも見せてくれました。
イートン校を創設したヘンリー6世 (Henry VI, 在位1422-1461, 1470-1471) の像の前で、まずは概要の説明。イートン校は70名の生徒たちに無償で教育を与える学校として1440年に設立されました。現在は13歳から18歳までの男子約1,300名が学ぶ全寮制の名門校となっています。学費はなんと1年につき32,000ポンド。5年で160,000ポンドという目玉が飛び出そうな高額です。創設時の生徒数にちなんで70名が奨学生として授業料を減額されているそうですが、それでも1年につき10,000ポンドを支払わなければいけないとのことで、たいへんな金額です。
こちらはイートン校でいちばん古い教室だそうです。机は過去の生徒たちが彫った落書き(?)でいっぱい。古今東西、授業中に生徒たちがすることは同じなんですね(笑)。
続いて礼拝堂の見学。内部は写真撮影が禁止されています。この礼拝堂もヘンリー6世の命によって建てられました。王は英国一の規模を目指していましたが、建設中に廃位となったため計画は大幅に縮小されました。イートン校の生徒たちの宗教・信仰はもちろん自由ですが、それに関わらず全員がこの礼拝堂に集わなければいけない規則があるそうです。
8月は夏休み中なので、学校に生徒の姿は見えません。こちらは博物館に展示されている人形。イートン校の制服はこの200年間ほとんど変わっていないそうです。変わったのはシルクハットを被らなくなったこと。第2次世界大戦中、生徒たちに防毒マスクの携帯が義務付けられたことがきっかけとなって、シルクハット着用が廃止されたそうです。
博物館には、歴史や学校生活に関する展示のほか、有名な卒業生たちの写真なども飾られています。
イートンの町ほとんどを実質イートン校が所有しているそうで、図書館、教育施設、スポーツ施設などが点在し、道を歩いていると、生徒たちの寄宿舎として使用されている「○○ハウス」という建物がたくさん目につきます。20以上の寮に約50名ずつの生徒たちが生活しているそうです。
ガイドツアーで聞いておもしろかった話を一つ。飲酒年齢(18歳)に達した生徒たちは町のパブで一杯、なんてこともできるそうですが、その場で支払いをするのではなく、指紋をスキャンされて請求書が保護者に届く仕組みになっているとのことです。
通りに並ぶお店も、洋服屋や書店、文具店、スポーツ用品店、食料品店・・・とイートン校の生徒たちを対象にしたところが多いようですが、その中で異彩を放っていたのがこちらのお店。イートン校の生徒にウェディングドレスは必要ない・・・ですよね。
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