2012年2月20日

キンダー・スカウト集団侵入

イギリスでは、私有地の中にもフットパス (footpath) がたくさん通っていたり、オープン・アクセス・ランド (open access land: 自由に歩き回ることができる区域) があったりして、地図に明示されています。こんなふうにイギリスがウォーキング大国になる大きなきっかけとなったのが「キンダー・スカウト集団侵入 (mass trespass of Kinder Scout) 」と呼ばれる事件です。

(写真はgrough.co.ukの記事から)

ランブラー(ウォーカー)たちは、広野を自由に散策する権利 (Right to Roam) を求める運動を行っていましたが、なかなか進展を見なかったので、1932年4月24日にピーク・ディストリクト (Peak District) のキンダー・スカウトを目指して400~500人で集団侵入を強行しました。その際にこの土地を所有するデヴォンシャー公爵の狩猟管理人たちとのあいだで乱闘が起こったため、5名が扇動・暴力行為の廉で逮捕・投獄されました。しかし、これをきっかけに散策権に関する世論が高まり、1949年に制定された国立公園指定に関する法律 (National Parks and Access to the Countryside Act 1949) や、2000年に制定されたウォーカーの散策権に関する法律 (Countryside and Rights of Way Act 2000) につながったといわれています。

「キンダー・スカウト集団侵入」80周年となる今年は、記念行事がいろいろ予定されています。

4 件のコメント:

  1. Sparkyさんこんにちは。

    この「キンダー・スカウト集団侵入」はまったく知りもしませんでした!
    正しいかどうか分かりませんが、ゴルフ場をも横断できると随分前にTVでやっていたような・・・

    広大な土地を所有しているイギリスの貴族。考えると不思議な感じもしますが、イギリスならではといいますか、イギリスらしい歴史なんですね。

    とても興味のあるお話を教えていただきました!!

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    1. あんりさん、いつもコメントありがとうございます。

      フットパスが通っているゴルフ場はたくさんあります。ボールが飛んでくる可能性が大いにあるので、歩くのはウォーカーの自己責任となります。

      過去の記事にゴルフ場の中を歩いている写真を載せたものがあるので、よかったら見てみてください。
      http://sparkywalkingrecords.blogspot.com/2010/09/blog-post_19.html

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  2. そんな事件があったとは!!知りませんでした~。
    イギリス人はみんな歩くのが好きだから「お互いさま」ってことでただ譲り合ってるだけかと思ってました(笑)
    勉強になりました、ありがとうございます。
    それにしても「散策権」って・・・イギリス人らしい発想ですねぇ。

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    1. 地主とウォーカーのせめぎ合いが今でもたくさんあって、地主が(勝手に?)フットパスを閉鎖したりもします。それを再び通行可能にするための正式な手続きなどもあるのですが、そのあたりは不勉強でまだよく理解できていません。

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