2018年7月26日

見どころが増えたラム・ハウス

2018年7月21日(土)②


作家ヘンリー・ジェイムズ (Henry James, 1843-1916) と E.F.ベンスン (Edward Frederic Benson, 1867-1940) が(それぞれ違う時期に)暮らしていたことで有名なライ (Rye) のラム・ハウス (Lamb House) 。今年から公開される部屋数が増え、展示も変わっているということで、訪ねてみました。


受付でヘンリー・ジェイムズ、または E.F.ベンスンからの招待状形式になっているチケットを手に入れて、お屋敷訪問です。


食堂(冒頭の写真)のテーブルには、ヘンリー・ジェイムズや E.F. ベンスン、また当時の訪問客だった他の作家たちの著作がお皿に盛り付けられていて、自由に読むこともできるようになっています。


こちらは新たに公開されている2階の「緑の間 (Green Room)」。冬期にヘンリー・ジェイムズが執筆用に使っていた部屋だそうです。


机の上にはこんな原稿が展示されていました。1877年に刊行された『アメリカ人 (The American) 』の改訂版を1907年に出版する前にヘンリー・ジェイムズが補筆したものだそうです。「五語が適当なところに一語では足りない」と大幅に加筆しているみたいなので、作品はずいぶん変わったことでしょうね。

2階には、ラム・ハウスを建てたジェイムズ・ラム一家が暮らしていた頃の出来事に由来する「王の部屋 (King's Room)」という部屋もあります。1726年にジョージ1世(在位 1714-1727)がドイツのハノーヴァーからイングランドに向かっている時に嵐に遭い、数日ライに滞在しなければならなくなりました。当時のライには、国王を泊めることができるような邸宅はこのラム・ハウスしかなかったので、ラム夫妻は自分たちの寝室を王に明け渡しました。この出来事にちなんで、夫妻の寝室の名前が後に「王の部屋」になったわけですが、身重だったラム夫人は何と国王が泊まった最初の夜に別室で出産。ジョージ1世が代父 (godfather) となって、この男児はジョージと名付けられたそうです。



広い庭はきれいに手入れされています。


邸宅の近くの桑の木には実がついていました。

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