ホテルに荷物を置いて再び町に出る頃には、めったに傘を使わない夫でさえ傘が必要なぐらいの雨が降ってきました。そこで、雨天でもあまり観光に支障がなさそうなカティー・サーク号 (Cutty Sark) に行くことにしました。午後4時15分で入場が締め切られてしまうので間に合うかどうか少し心配しましたが、4時ごろに着くことができました。
中国から紅茶を運搬するために1869年にスコットランドで建造されたカティー・サーク号は、当時世界最速を誇った大型快速帆船です。現在は博物館になっていて、展示にいろいろな工夫が凝らされています。
この自転車は実物ではないのですが、「1886年に上海で船長がこれに似た自転車を購入し、船内で乗る練習をしました。船長は同じくローラースケートも船内で練習しました」という説明書きが付いていました。
大きな船で見どころがたくさんあって、本当におもしろかったです。写真には撮らなかったのですが、トイレに「HEADS」という表示があって「頭?どうして?」と不思議に思いました。後で辞書を引いてみたら「<海事>便所(船の前部にあることから)」という説明があって「へえぇ、なるほどね」と納得しました。
カティー・サーク号は、1895年から1922年までポルトガル船フェレイラ号として使われた歴史があるそうです。見えにくいのですが、「FERREIRA」(写真左)「CUTTY SARK」(写真右)という文字が刻まれています。
ガイドブックなどでよく見かける船底の写真。雨のせいで上部がはっきり見えないのが残念ですが、やっぱり撮らずにはいられませんね。
昔のいろいろな船の船首像のコレクションも展示されていました。
こちらが、カティー・サーク号の船首像です。「カティー・サーク」とはスコットランド語で「短いシュミーズ」という意味で、この像はスコットランドの有名な詩人ロバート・バーンズ (Robert Burns, 1759-1796) の詩『タム・オ・シャンター (Tam O'Shanter) 』に登場する魔女ナニー (Nannie) の像だそうです。私自身はこの詩を読んだことがなく、知識が乏しいので、ウィキペディアから説明を引用します。
「農夫のタムが馬にのって家路を急いでいると、悪魔や魔法使いが集会をしているところに出くわした。そこでタムは、カティーサークを身にまとった若くて妖艶な魔女に魅了され、思わず手を出そうとした。そのとたん、にわかに空が暗くなり、魔女たちがタムを捕まえようとした。タムは馬にまたがり、命からがら逃げだした。カティーサークの魔女は馬の尾をつかまえたものの、尾が抜けてしまったため、タムは逃げのびることができた。」
売店を覗く時間がなかったのは残念ですが、閉館の午後5時まで見学を満喫しました。一日目の観光はこれにて終了です。
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