2015年10月26日

風見鍛冶屋(2)


キャッツフィールド (Catsfield) で出合った鍛冶屋の風見です。鍛冶屋というと ♪しばしもやすまず、つちうつひびき♪ と、童謡『村のかじや』を思い出します。

イギリスでは現在でも鍛冶屋を見かけることがありますが、日本では私がこの歌を習った40年ほど前にはすでに鍛冶屋という職業は全くなじみのないもので、歌詞の意味もほとんどわからないまま「『かじや』って何?」と思いながら歌っていた覚えがあります。

ウィキペディアの「村の鍛冶屋」の項によると「昭和30年代頃から農林業が機械化するにつれ野道具の需要が激減し、野鍛冶は成り立たなくなって次第に各地の農村から消えていく。鍛冶屋が作業場で槌音を立てて働く光景が、児童には想像が難しくなった昭和52年には文部省の小学校指導要領の共通教材から削除された。以後、教科書出版社の音楽教科書から消えはじめ、昭和60年にはすべての教科書から完全に消滅した」そうです。


こちらの動画では、初出の1912年(大正元年)当時の歌詞で四番まで歌っています。「農具など野道具や山道具を製作する職人を『野鍛冶』と呼ぶ。この歌の主人公である老職人も、歴史に名が残るような刀鍛冶ではなく、地域の農民とともに生きる無名の野鍛冶である。しかし彼は武勇のための兵器ではなく、民衆が平和時に生産に励むための農機具を鍛える自己の職業を大いに誇りとし、勤勉に日々の労働に没頭している光景が初出時におけるこの唱歌の描く情景であった。だが1942年(昭和17年)3月刊の『初等科音楽(二)』に収録の際には、平和を歌う三番以降の歌詞の後半が戦時下の国策に不適当として教科書から削除され、戦後も復活することがなかった」というウィキベディアの記述を興味深く読みました。

0 件のコメント:

コメントを投稿